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伊吹龍彦の作品にみる吟味された語彙の深さ、叙情性、描写の美しさは、芸術に必要なナイーブさと純粋さと品格の表出とみる。
彼の文学は、芸術が求めるべき人間の本質を追究しつくし、それが哲学的文学にまで昇華されている。
彼には、そう、本物が宿っているのだ。ここには心がひきさかれそうな辛い描写がある。それが心を騒がす。しかし、必ず、「愛」によって救われる。
行間からはジャズがこぼれ流れるようだ。終章など壮大な交響曲だ。著者の心の奥底からの叫びが聞こえてくるようだ。この文学に出会えた人は、生きることの本当の意味を知るだろう。本当に心から人を愛したものにだけ、「まぎれもない朝」がやってくるということを。「愛が力であり、愛だけが永遠」だと。エンディングには神が宿っていると思うのは私だけではない筈だ。 レビュー其の1 作 天野茉莉花 其の2はここです。
この本を読まれる人に次の本をお薦めします。
「イルカとETと天使たち」
「愛より命が大事だなんて誰にも言わせない」
「単細胞的思考」 |
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読者感想文
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まさしく、クラシックの大演奏会を聞き終えたごとき、ジーンとした余韻に包まれています。
著者は、この本を書かれ、人間に愛こそが愛することこそが必要であるといい、この社会を牽引するために、神に選ばれた人であり、そのために、この本を書くために、作者の「生きる」があったのではないでしょうか。
この文学は不滅です。社会も変える力があります。この本に出会えた幸せを思います。感動でいっぱいです。(女性)
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レビュー其の2
この小説のなかで、主人公はざらざらと砂をかむような、血を吐くような生活をたどり、失うものを持たない身となった沖縄やフィリピンの旅の中でも、ひたすら心の葛藤、哲学的模索を重ねていきます。人生の意味、何のための命なのか。自身の存在とは何なのか。どうすれば人間として美しく咲けるというのか。なぜ、この女は美しいのか。革命とは何か。宗教とは、死とは、生とは。高みをめざす自身と社会や世界との深い乖離。
そして、その長く辛い煩悶苦悶のなかから、ついに、到ります。「愛なんだ、愛こそ神なのだ」と。そして、「愛する行為こそすべての始発であり、永遠の愛こそ至上の到達点だ」と。そして、「今、現世のこの地点で、一切の空間と、一切の時間の集まる僕自身の内部に愛の光を見ずして、いつ、どこで見られるというのか」と。
作者は、一九四四年生であるが、この作品は、彼が、二十七才から三十代前半に書いたものです。蛇足ながら、作者は、こうした長編の未発表作品を「人間の進化シリーズ」として十数編抱えており、その筆力、筆量には圧倒され、いまこそ若者から熟年者に到るまで、広く伊吹龍彦の世界を知ってほしいと思うものです。
この本は、青春の迷いに答える力があり、その驚くべき知識量は熟年者をして唸らせ、読み応えがあります。文学が社会を人々を変革し、牽引する力があるとすると、まさしくそれに値する作品であると思っております。
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