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 人を好きになるってどういうこと? 理想の恋愛ってどんなもの? 恋をした人なら必ずわかる、胸をしめつけるあの気持ち。そんな一瞬の切なさがピュアな文体で綴られる、恋の心象風景43編。
 気ままな旅をするように読んで下さい。
知らず知らずに効いてくる、ハートの処方箋です。
効きます!! 苦しい愛に
優しく切なく、ハートを癒す。知らず知らずに効いてくるハートの処方箋。
 その他、幸せな恋、フツーの恋、道ならぬ恋、あらゆる恋に。
「だから、お願いだから。別れ際には、優しくして欲しい。
嘘でもいいから、君も僕と別れるのがつらいんだという顔をして欲しい。
10分も抱き合わなくても、100回もキスしてくれなくてもいいから。 せめて、『バイバイ』っていうその言葉だけは、愛情こめて、優しく言って欲しいんだ。
 なぜニュージーランド?= ロンドンに行く/どこで暮らすか
 モーリンとの出会い= ニュープリマスへ/ニュープリマスの日々/モーリンとビル
 公園は自然の一部= ニュープリマスの公園/出店のない公共の場所
 プルー= 五〇代の少女/質素な生活でも働くよりはいい/プルーのボーイフレンド 以下略

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著者profile 関連書籍















 
         江戸井判平 著





 多重人格恋愛症候群





                                   明窓出版



















   推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































  まえがき

●●●●●まえがきの中身●●●●●

























       目 次




●●●●●目次の中身●●●●●



























    

 雨は、いつも君が家に帰った後に降り出すんだ。デートの途中、突然天気が悪くなって来る。いつも予報通りにはいかないものだね。二人で、「大変だ」って言って、僕は君を家まで送り届ける。そしてサヨナラを言って、僕は一人、自分の家へと急ぐ。いつだってそんな時なんだ。雨が降り出すのは。どしゃぶりの雨。
 神様も女性には優しくってことをわかっているんだね。僕はずぶ濡れ。でも君は決して一滴も雨に濡れたりはしない。
 男には優しくする必要ないものね。きっと神様も、君を愛しているんだよ。
 だって雨が降るのはいつも、君が家に着いた直後。
             ☆

    愛情 〜プロローグ〜

 例えば、愛には与える愛と、奪う愛があるって言うじゃない。だとしたら、僕の愛は、ただひたすら与える愛なんだ。こんなことを言うと、みんなは「本当?」って疑うかもしれないけど、僕は彼女に何も求めないし、期待もしない。ただ僕のことを、心から大事に思ってくれるってこと以外はね。
 居候でいいんだ。いてくれることだけで僕にはかけがえのないことなんだ。家事や雑務だって、何も要求しはしない。料理だって僕が彼女のために作ってあげる。すべて僕に甘えてくれたっていい。
 もちろん実際は、彼女は居候になんてなってないし、家事だってするし、それなりに働いてもいる。でも僕はこうして料理を好きになったし、今では誰もが僕の料理の腕をほめるまでになった。掃除や洗濯だって苦にはならない。家事をこなす割合は僕の方が多いんだ。
 彼女は美人だ。とってもきれいだ。写真を見せるとみんなきれいな子だねって言う。でも、世間の人がいう美人っていうのとはきっとちょっと違う。きれいだけど、普通とは違う感じがするんだ。
 だからって訳じゃないけど、考えてみると、そういえば、昔から、僕はそれほど美人でない子に恋をして来たように思う。もちろん、今までにはとびっきり美人の子にも出会ったし、そんな女の子に夢中になったこともある。でも、総じて僕は、周りの男たちが注目して騒ぎ立てるような女の子には興味が湧かなかった。僕が見ていたのは、その子の隣にいる、あまりさえないような女の子だった。何故かって? いつでも思ってたんだ。まったく平凡で目立たない、でも素直ないい子。そんな子のことを、ひたすらに本気になって命をかけて愛してあげる、そんな幸運が、そんな男が、世の中に一人くらいいたっていいじゃない、ってね。そういう子のために尽くしてあげることが、自分の使命だと思ってたんだ。
 もっとも、単純に好みの問題でもあったんだ。周りの男たちが騒ぎ立てるような女の子、彼女たちはだいたい、テレビに出てるようなアイドルや、あるいは少年マンガのヒロインのような、いかにも典型的な「女の子らしい」女の子なんだよね。そこへいくと、一見さえない平凡な女の子たちは、よく見ると、飾らないだけに、もっと胸に伝わってくる女の子らしさがあったんだ。僕は、描かれた型通りのイメージじゃない、もっとリアルな、人間らしい女らしさが欲しかったんだ。たいしたことじゃないけど、僕は昔、年上の本当に素敵な女性たちとたくさん出会う機会があって、ずっとその人たちを見て来たから、それらの女性たちを通して、本当のリアルな女らしさみたいなものを学んだのかもしれない。
 そして彼女に出会った。運命の出会いだったと思う。僕は、彼女に自分の幸せのすべてを注ごうと決めたんだ。
 他人に話すといつも、「聖人じゃないんだから、いつもそんなふうに与えてばかりなんてことができるのかい」って訝しがられるんだ。でも、そもそもは何故恋愛なんかするのか、恋愛に何を求めるのかってことなんだと思う。誰もがそうだと思うけど、僕は自分が自分であるために恋をしている。僕は彼女に幸せを与え続ける僕でありたいから、それが他でもなく本当の僕だと思うから、そういう自分が好きだから、だから僕には彼女が必要なんだ。
 そう、そう考えていくと、実はすべては自分のためなんじゃないかって気もする。僕が彼女に自分のすべてを尽くしてまで愛を捧げるのは、そこに自分の存在意義を見出したいがため、そんな自分を好きになるため。結局は自分の幸福のためなんじゃないか、ってね。与え続けているように見えても、本当は奪い続けているみたいだ。
 それを偽善的だって呼んでくれてもいい。でも、偽善的だろうと何だろうと、人間、誰だって、大好きな人が幸せな笑顔を見せてくれれば嬉しいものだろ。
 きっとそうやって、自分も幸福になって、相手も幸福になる。相手を幸福にすることでさらに自分も幸福になっていく幸福の悪循環。上手く行き過ぎかもしれないけど、そんな幸福な関係に僕たちはあるし、それが僕にとっての愛だと思うんだ。少なくとも、そう信じたいし、信じるしかない。そうでなければ、僕は壊れてしまうだろう。だって僕にはそうやって生きて行くことしかできないのだから。
 だから僕は、今日も彼女のために外へ出て働き、晩のキッチンでは料理の腕を振るい、ベッドの中では、持てる限りの愛撫と快感を彼女に与える。そうやって手を変え品を変え、いつでも彼女に笑顔でいて欲しいと願うんだよ。
             ☆











    自己嫌悪

「あったかい」って彼女が言ってくれたんだ。ベッドの上、僕はいつものように、自分のちっぽけな欲望のために、行為をしていたんだ。そう、彼女の白い体の上でね。そして僕は彼女の背中に出したんだ。
 僕はいつものように、出した瞬間、ひどい自己嫌悪に襲われたんだ。いつでもそうなんだ。男は、まるで悪魔に取り憑かれたように欲望に駆られて我を忘れて、そして全て終えた瞬間にはっと我に帰るんだ。そして思うんだよ。自分はなんて嫌な奴なんだろう、自分はなんて最低な奴なんだろう、ってね。結局自分の小さな欲望のために彼女を利用してる。動物のように彼女の体を貪ってるだけの自分に気がついたんだ。
 それでも、僕は彼女を求めることをやめることができない。どうしてもこうなるしかないんだ。気がつけば僕は彼女の服を全部脱がせてしまっているのだから。
 僕は怖かった。そして嫌だった。自分が怖くて、そして嫌だったんだ。
 でも彼女は今日、「あったかい」って言ってくれたんだ。僕が彼女の背中に出したその後に。うつぶせのまま、とっても優しい、あたたかい声で、「あったかい」って。
 知らなかった。自分のものがあったかいだなんて、今まで知らなかったことだった。彼女に言われて初めて知ったんだ。彼女は僕のちっぽけな欲望を笑ってくれた。そして、それでいいよ、そのままでいいんだよ、って言ってくれたんだ。自分では気が付かなかった。僕のちっぽけな欲望が、人をこんなにあったかくもできるものだなんて。彼女に言われて初めて気が付いたんだ。
 きっとこれからも、事を終えた後はその度にやりきれない自己嫌悪を感じると思う。でも、それを「あったかい」って笑ってくれる人がいるのなら、彼女がいるのなら、僕はきっと自分を許していけるんじゃないか、そんな気がする。
             ☆


    孤独

 ただ側にいるだけで幸せだっていう。君さえいれば何もいらないっていう。でもそれって、事実の片側に過ぎないよね。恋をすると、その裏側に気付く。ただ側にいるだけで幸せの反対は、ただ側にいないだけで不幸せ。君さえいれば何もいらないっていう命題の対偶は、君がいなければすべては無。彼女に恋して、初めてこの事実に気付いた時、底知れなく怖かった。無限の闇を覗いたようだった。
 ズルイよね、事前にちゃんと教えておいて欲しかった。こういう大事な裏側の事実をみんなは語らずに、恋は幸せなものだってことばっかりみんな言うんだから。
 気付いた時にはもう手遅れだったんだ。そう、僕は、彼女と一緒にいるだけで、最高に幸せだった。
 最初に気付いたのは、二人冒険して、初めて裸で二人の時間を過ごした時だったと思う。夜遅くなって、君を家まで送っていった時、心が急に叫ぶように痛みだしたんだ\\もうこれで終わりなの? もっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい。一分だって一秒だって離れていたくない。ずっとくっついていたい。僕たちは、ずっとくっついて仲良くしてるのが普通で当然の状態なんだから\\。
 ダメだった。また明日になれば会えるんだっていくら自分に言い聞かせても、寂しくなる気持ちを押さえ切れなかった。だからあの時僕は街中で、場違いな場所で唐突に彼女を抱き締めてしまったんだ。10メートル毎に君を抱き締めては立ち止まって、家に帰るのがますます遅くなってしまった。
 本当に不安に思ったよ。これほどほんの少し離れるだけでもつらいのに、これから、人並みに普通の生活をやっていけるんだろうか、ってね。僕は、君というペースメーカー無しには生きられない、精神的身体障害者になった気分だった。
 だから、やがてもっと長い間離れていなければならなくなった時、僕たちは心をつないでおく必要があったんだ。とってもつらくて、そのままでは壊れてしまうから、僕たちは何とかして心をつなぐ手段を獲得する。
 何億年も前から恋をし続けてきたんだから、恋人たちのDNAにはきっと心をつないでおく能力が備わってると思うんだ。そしてどんなに通信技術や機器が発達しようとも、恋人たちをつなぐその力だけは変わらないはずだよ。
 信じ合う力。本当に心をつないだ恋人たちだけが、獲得できる説明のできない力だよね。
             ☆









    おかしな……

 どうしてこういうバレンタインデーの過ごし方になってしまうんだろうね。僕たちは木に登っていた。地上5メートル。先に登ってよ、なんて言って、下からのぞいたりして。わぁ、僕を蹴らないでくれよ、ハニー、おしりを押してあげるからさ。
 太い枝に、二人とも腰を下ろす。世間の人達は、今日はきっとこういう一日の過ごし方はしてないよ。今日はバレンタインデーなんだ。チョコレートを渡したりするんだよ。でも、こうして木の上から見ると、街並みもいつもとは違って見えるね。僕たちが住んでいる小さな家、僕たちが住んでいる小さな町。そして木の上からそれを眺めている、小さな小さな僕ら。いつだって僕たちはどこか人と違うことをして、どこか違うものを見ている。今日この日に、木の上からこの世界を見ているカップルって、きっといない。
 え、チョコレート持って来てるの? ずるいね、不意打ちだよ、そういうの。
 枝から落ちそうになりながらチョコレートを食べる二人。半分こにしよう。二人とも甘いものは大好き。キスの味も、チョコレート。
 枝の上でじゃれあう二人は、まるでサルのカップル。楽しいんだ、幸せなんだ、なんだかんだ言って。
 心から、ありがとう。
              ☆

  






    電車

 それは遠く離れて暮らしている君に会いに行くため、各駅停車の夜行に乗っていた時だった。もう3時間以上も電車に揺られてうつらうつらとしていた僕は、乗って来た少女の姿を見てはっと目を覚ましたんだ。なぜかって、それはぎょっとする程君に似ていたんだ。でもそれは君では無かった。よく見るとほんの少しだけ、違ったんだ。髪の色が、君と違って普通の黒髪だった。
 その少女は僕の向かいの席に座った

 あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
 このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。 


















 あとがき

 ●●●●●あとがきの中身●●●●●
























 著者プロフィール

江戸井判平(えどい・ばんぺい)

愛知県出身。
三田にキャンパスがあり、東横線の日吉駅近くに教養学部のある大学(田中康夫風)に在学中。
奇妙なペンネームはエディ・ヴァン・ヘイレンに由来する。






















本の誕生秘話

 ●●●●●本の誕生秘話の中身●●●●●























関連書籍の紹介

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 読者感想文

 ●●●●●読者感想文の中身●●●●●