ラ・セーヌ」 明窓出版 Web立ち読み



Paris 1981
パリの名所、シテ島を中心としたセーヌ川の右岸、左岸において「川辺の人間模様」を記録した写真集。
様々な登場人物の各々の生活、心情など、パリならではの雰囲気も楽しめる。
古きよき時代のセーヌの流れに浸り切るこの至福感をあなたも

前書き 本文70% あとがき

著者profile














 
         Eisaku Tuda 著





 LA Seine


  川辺の肖像




                                   明窓出版










  まえがき
《序文》上野霄里(作家)

                                   La Photographic Depeinte
−−pour L'essai Photographique
sur La Seine par Eisaku Tsuda−−
 ドイツからストラスブール経由でフランスに入った私はパリ東駅に降りた。
ここに来るまで降っていた雨はいつの間にか止んでいる。今迄、ここで私と立ち話をしていた精神科医のムーニエ氏はもう闇の中に消えていた。人気のないO・ヘンリーのニューヨークにも似た夜のパリの街角。此処で私は一人の友の来るのを待っていた。
 友人に会ったのは晩秋の深夜、コメディ・フランセーズ前の噴水の傍であった。噴水は涸れていた。彼も又虚飾を脱した清楚な人物だった。知り合ってからも、十年近くなるのにこれが初対面である。彼の文面に現れている単純で密度の 濃い思想の内容は、まさしく、彼の人となりそのものであった。肥大気味な文明の粗雑な体質に反して彼はどこまでも身軽であった。二眼レフを抱えた彼はあと何年かパリに住みつき、言葉少なにセーヌ河を凝視しつづけることだろう。
チェルリー河岸、ルーヴル河岸、シテ島、サン・ルイ島等をぶらついて知ったセーヌの物悲しいたたずまいと恥部−−白昼公然と橋の下でオナ ニーをつづけている男や残飯を抱えてねそべっている虚ろな目の老人達、それは 文明の病み果てた体質の表象であろう。文明は一つの悲しい癖だ。人間を失敗に 導いた五千年の重苦しい悪癖である。       後略











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 あとがき

  このパリ市街を流れて止むことのないセーヌ河、それは、あたかも“時を超 え”、“国境を越え”、そこに憩い集う“老若男女”の喜びや悲しみを、若き恋人た ちの熱き思いを川面に映す《一枚の鏡》の如く在る。  時として、その川の流れは“人生を旅する人々の疲れ果て、傷ついた魂”を優し く癒して止まぬ名医と成る。
“La Seine”それは、まさに沈黙する詩人の魂に似た雄弁さをもって、今日もまた 時の記憶を孕みつつ、明日への夢と希望の旋律を奏で続けて止むことがない。

「パリでの初対面から、20年の長きに渡り変わらぬ励ま しと親交を深めていただきました魂の哲人・上野霄里先生」に、改めて心より感 謝申し上げる次第です。
 そして、最後に、“ソクラテスを愛して止まなかった”ギリシャ哲学の故・國分 敬治先生ならびに、昨年、他界しました“心から写真を愛し、人生を愛した” 我 が父と亡き母に、また若くしてこの世を去ったあの“ミラボー橋”の詩人G.アポリ ネールにこの写真集を捧げます!
 東京のcafにて          Aug 20, 2002
                写真家:津田英作
























 著者プロフィール

1949年 愛知県に生まれる。
1970年 東京写真専門学院卒業
1973年 写真展『飛べない日々は黒い鳥』(愛知県立美術館)
1976年 記録映画『萌えよ友情』南米留学生の記録:自主制作
1979年 プロセス‘79展“映像部門”に参加(ギャラリ−ウェストベス)
1981年 〜82年 パリ滞在
1981年 写真集『La Seine 川辺の肖像』制作
1982年 『ポルトガル・スペイン紀行』制作
1983年〜90年 建築家『高崎正治の世界』(写真 資料)制作開始。
1986年 美術映画『エッシャーへの不思議な旅』監督(草月会館:東京)
      空間設計『建築デザイン展』(銀座松屋:東京)
1987年 絵本『くだものばたけシリーズ:かき・みかん』出版(金の星社)
1990〜91年 ドイツ(ハンブルク)に滞在、主に旧ベルリン・東欧を取材。
1991年 劇場用映画『Bombay to Nagoya』日印合作に参画
1998年 LOC研究所開設
2001年 個展『カッコーのメトロノーム』(現代ハイツギャラリーDen:東京
2002年 写真集『La Seine 川辺の肖像』(明窓出版)






















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