クローン人間の是非を問う問題小説
中小企業の二代目社長、倍尾平治と、妻、操子は、結婚7年目になっても、子供がで きない悩みを抱えていた。不妊症の原因が自分にあると知った平治は、クローンの息 子が欲しいと言い出す。しかし、妻の操子は、断固反対。自身の持病、夫の不倫の悩 みも含めて、大学心理学教授、高階優子のもとを訪れ、「前世診断」を受ける。
そこで、始めて知った、夫婦の恐ろしい、過去世のカルマ……。
優子が導く「宇宙の真理」、「真実存在の自分」とは?
平治と操子の、苦悩する魂と心は、癒されるのか? 

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         喜多要光 著





 クローン


  永遠の時を求めて




                                   明窓出版



















   推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































  まえがき

●●●●●まえがきの中身●●●●●

























       …………目 次…………


第一章

 子供に恵まれない寂しさ …………………… 6
 クローンの息子が欲しい …………………… 15
 一大ショックの不妊診断 …………………… 20
 クローン人間誕生 …………………… 31
 癌の兆候 …………………… 38
 持病の苦痛 …………………… 49
 恋人の遺伝子操作失敗(診断1) …………………… 56
 心と体の病の苦悩 …………………… 67
 残虐・攻撃性を制せない(診断2) …………………… 74
 亡霊 …………………… 78
 ストレス …………………… 88
 自己処罰 …………………… 96


第二章

 恋人は今も恨むのか(診断3)…………………… 107
 遺伝子を損なうストレス …………………… 119
 病気にさせた遺伝子(診断4)…………………… 149
 遺伝子のONで積極的人生へ …………………… 162
 過去の過ちは許されるか(診断5)…………………… 171
 不倫発覚 …………………… 181
 精子・卵子の遺伝子操作(診断6)…………………… 198
 遺伝子操作の美女との愛欲(診断7)…………………… 211
 前世のカルマによる病的症状(診断8)…………………… 220
 希望に満ちた門出(診断9)…………………… 233



























    第一章






  子供に恵まれない寂しさ


 美人で勝気な女、倍尾操子二十八才。中小企業の二代目社長、倍尾平治と結婚して早や七年になるが、いまだに子供に恵まれない寂しさを抱いている。二人で時々議論をするなど、色々原因を探ろうとするが、決定的なものは思い当たらない。
 ある日操子は、最後の手段として、なくなった初代社長の友人で、近所の土屋医学博士のもとへ相談に出かけようと、いやがる夫を説き伏せた。
 渋々了承した平治と、自宅より八百メートル先にある博士宅を訪ねると、奥方の案内で立派な応接間に通された。
 しばらくして、額の広い学者タイプの顔に金縁の眼鏡をかけ、亡父より一つ上の六十一才になり、以前会った時より相当白髪が増えてはいるが、変わらずに温顔の博士が現れた。
「いやー、久しぶりですね、ようこそ」
「先生大変ご無沙汰致しております。ますますお元気そうで何よりでございます。本日はご多用のところお伺いしましてすいません」
「よくいらっしゃいました。お父さんは月に二回は遊びに来て、好きな酒をいっしょに飲みながらよくバカ話に花を咲かせたもんでしたよ。お父さんが亡くなられて、私もここで一人で酒を飲んでいると、開けっ広げなお父さんが、向かいで人なつっこい顔で笑っている姿が現れ、『もう一杯どうです』と言っているような気がするんです。私も年かな?」
 すかさず操子が平治を制して言った。
「主人も父の性格をもう少し受け継いでいたらと思う事がよくございます」
 博士は、操子の日本人離れした、彫りの深い、ギリシャ神話に出てくる女神のような美貌を繁々と見つめながら、
「操子さんはますます美しくなって行くようだね」
 と言った。
「まあ、先生はお上手ですね、ありがとうございます」
 よく大学時代にも多くの人々から、あなたの両親はどちらかイギリス人じゃなかったの、と言われる事があった。まんざらでもない気分である。
「ところで久し振りに来られたのは何か」
「ええ」
 と平治は言っただけでモジモジしているので、操子はジレッたくなり、口をはさんだ。
「本日先生にぜひ色々ご指導をして頂きたく思いまして……、実は私達結婚して早や七年目になるのですが、まだ子供ができないのです。この事でよく主人と口論するのですが、主人はいつも家庭の事より会社の事で頭がいっぱいで、疲れもあって夜の夫婦生活があまりないのです。そのために子供が生まれないのかと思っていましたが、最近はどちらかが子供の生まれない体なのではと思い、その辺りの事を教えて頂こうと」
 操子は事もなげに博士に言ってのけるので、平治はよくまあズケズケとハッキリ言えるものだなあとあきれたが、博士は表情を変えることもなく答える。
「私も結婚式に招待されたが、ついこの前の事のようだ。もう早や七年になりますか……、月日の経つのは早いものだね」
「あの節には先生に主賓の挨拶で、大変お世話になり、ありがとうございました」
 平治は頭を下げた。
「いやいや大した挨拶もできずにね。ところでその子供ができない問題ですが、一度二人で病院に来ていただいて、簡単に診察してみるのが一番いいと思いますよ」
 博士が優しく操子に語りかける。
「その診察というのは相当月日がかかるのでしょうか? 私はいいのですが、主人が会社の仕事が忙しくてなかなか時間が取れないと言うのです」
「そんなに月日はかかりません。日数の事はともかく、やはり貴方達には、やがて会社の三代目社長となる人が、ぜひ必要でしょうから」
 博士は、自分が早死した父親代わりの役目を、少しでも果たさないといけないという気持ちで言った。
「ありがとうございます。常に父親のように私たちの事を思って頂いている事、本当にうれしいです」
 平治は感謝して、博士に質問しようとしたところ、またもや操子が口をはさんだ。
「私にはどう考えても、主人の方に子供が造れない原因があると思うのですが、そういう場合にはどういう方法があるのでしょうか?」
 平治は、なんで自分だけが良くて、私に原因があると勝手に決め付けて、ヌケヌケとそんな事を言えるのかと思いムッとした。
「まあそれは検査の結果を見てからです。現代は医学も発達してきて、色々な方法をとれますよ。例えば不妊治療、体外受精。また、カナダ・アメリカなどの国ではクローン技術を生かして、クローン人間の誕生を欲している人々も多くあります。カナダ・モントリオールのカルト教団で、幼くして自動車事故で子供を亡くした両親が、自分の息子をどうしても返して欲しいと訴え、その子供の体細胞を利用して、五十人の代理母に移植している例がありましたよ」
「へえー、時代はすごく進歩しているのですね。今先生の言われた三つの方法について、私たちはあまりよく解らないんですが? もう少し具体的にご説明して頂けませんでしょうか」
 操子は、自分たちにも子供が生まれる可能性を聞き、寂しい我が家に一条の光が差し込んでくるように思った。
「解りました、東京の神田にある土屋クリニックには、お二人と同じ悩みを持って尋ねてくる人が多くありますようで、病院の若い者が解りやすいように、マンガチックなイラストで作ったパネルがあります。お見せしましょう」
 博士がそのパネルを取りに部屋を出ると、平治は言った。
「お前ね、あんまり深入りするなよ。オレ達にはまだ何の対策をとらなくても、子供ができる可能性だってあるんだから」
「そんな事言ったって、もう七年経っても生まれないじゃないの、とにかくあなたは私への愛情がなく、仕事仕事で頭が一杯だから、博士に頼るしかないのに、何を呑気な事言っているの!」
 操子が、語気を強めて言い、平治が操子に反論しようとした時、博士がパネルを持って入って来た。
「いやいやお待たせしました。この三枚がイラストの説明なんです」
 博士はまず、不妊治療についてと体外受精のパネルを見せ、イラスト通りに順に説明をした。









「つぎはクローン人間の場合ですが、これは日本では平成十三年六月から『ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律』が施行され、クローン人間はつくれない事になっています。しかし、外国では日本と異なり、クローン人間造りは積極的にやっていますよ。特にイタリア人医師セベリノ・アンティノ氏は、すでにクローン技術による妊娠に成功して、現在八週間くらいの人が三人いると言っている。
 しかし、多くの学者は、『クローン人間は安全性や倫理面に大きな問題がある。クローン人間造りを禁止する枠組みがぜひ必要になる。万一クローン人間が誕生したならば、地球人類の家族間や、人間としての価値観に重大なる影響を与える可能性は十二分にある』と言っていますね。
 まあしかし、とりあえずクローン人間造りのパネルを見せて説明しましょう」
 博士はパネルを二人に見せながら簡単に説明をした。








 クローンの息子が欲しい

 勝気な操子はまた、夫に先だって質問した。
「先生、クローン人間というのは、どうも私イヤーな感じがするのですが、先生のご意見はいかがですか」
「う\ん、これは大変難しい問題で簡単にはお話できませんね。誤解があるといけないですから」
 博士は説明する事をやめ、しばらく考えていたが、やおら口を開いた。
「私は日本の少子高齢化問題や、子供のできない人々に福音をもたらす方法としては将来、クローン人間を造ってもいいのではないかと、学者的立場で今は考えているのですがね」
 しかし、博士自身も実は何かしっくりしない気持ちがしていた。
 今まで黙っていた平治がおもむろに話し出した。
「もし、私に原因があって子供ができない場合は、体外受精すると、他の男性の精子が入る事になり、本当の私の子供ではないのでこれは容認できません」
 すると、すかさず操子が言った。
「私は、クローン人間は直感的にイヤな気がするわ。それより、体外受精で貴方より全ての点に於いて、優秀な遺伝子を持った人の精子をもらって、将来立派な社長となりうる子供を産んだ方がいいと思います。だって親子三代肺癌・喉頭癌の子供ができたら大変ですもの」
「ええ! 平治君も癌かね?」
「いえ、これは家内の失言です、まったくそんな事はありません」
 と平治は打ち消したが、すぐに操子が続ける。
「お父様代わりの先生ですからハッキリ申しますが、主人はいつも散歩より帰って必ずビールを飲むのに、どうもこの頃ビールがスーッと入らないように私は感ずるのです」
「お前、何も先生にそんな事まで」
「いいえ、この事は実に大切な事ですから、ハッキリと先生に知って頂いた方がいいのです。貴方一人の問題ではなく、我が家に将来誕生してくる子供と、会社の将来のため、ぜひ先生にご存じ頂きたいのです」
 操子は語気を荒くして夫をたしなめたので、平治はまた妻の病気がエスカレートしてきたと、妻を睨んだ。
 博士は不温な空気を和らげようと、
「まあ私はそんな事はないと思うが……、しかし実際にお父さんが肺・喉頭癌の手術をし、一旦良くなったのが再発してついに亡くなられたという事もあるからね」
「先生にもご心配頂いているのだから、あなたはそんなに会社の仕事が忙しいからと言って、逃げてばかりいないで、ハッキリと白黒を付けてもらえばいいじゃないの。その上でちゃんとした医学的処置をしてもらえばいいのよ。そんなに病名を言われる事が怖いの!」
 この言葉には、さすがの平治もカッと来た。
「お前ね、人事だからそんな事を言えるんだ。本当にオレの身になってみろ!」
「まあまあ二人とも、夫婦喧嘩はいけない。とにかくお互いの言いたい事はよく解った。私はあなた方の父親代わりとして言いますが、平治君はやはりすぐ医者に行って検診してもらう事が先決だね、その検査の結果を見てまた話し合いましょう」
 これを聞いた平治の心は大きく揺れ動いた。どうしよう、もし私が肺・喉頭癌と診断されたら、妻はどんなに嘆くか。そして会社の幹部、社員たちはどう言うだろう……、父親と同じ癌で若死にするのか……。わずか三十五才で死ぬのか……。と次々にマイナスな感情が湧き上がって来るのを抑えきれず、心は暗く沈んでいき、顔面が強張っていくのが自分でもハッキリと解った。
 動揺を隠せない夫の表情を見て操子は、
「あなた大丈夫ですか? あまり自分だけで次から次へと悪い方へ考えない方がいいですよ。心配事があったら先生にご指導して頂いたら」
 と言った。
「……うん。解っている」
 と答えたものの、平治は自分の性格、会社内の立場、夫としての立場、死んだ父の事、等々を考えると、そう簡単に先生に相談できるものでないと思うのであった。


 あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
 このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。 



















 あとがき

 ●●●●●あとがきの中身●●●●●
























 著者プロフィール

●●●●●著者プロフィールの中身●●●●●





















本の誕生秘話

 ●●●●●本の誕生秘話の中身●●●●●























関連書籍の紹介

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 読者感想文

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