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政治家として、母として、妻として、娘として
折々の所感を綴ったエッセイ集。季節ごとに美しく変わりゆく京都を背景に、さまざまな事柄に思いをいたす。
京都礼賛
窓を開けると比叡の山並みにうっすらと雪が降り積もっている。暖かい冬を過ごしてきたここ数年、見る事のできなかった趣のある古都の冬の風景である。
朝に夕に、比叡の山並みを見つめながら二十数年がたってしまった。今では生まれ育った東京より京都に住んだ年月の方が長くなった。ふるさとを持たない私にとって、京都はふるさとと呼ぶにふさわしい寛ろぎを与えてくれる地である。

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感想BBS 本の誕生秘話 著者profile

Copyright (C) 2007 明窓出版, All rights reserved



















推薦の言葉
●●●●●推薦の言葉の中身●●●●●

































まえがき

●●●●●まえがきなし●●●●●

























目次




目次

第一章京都礼讃 ……………………………… 5

京都礼賛 6京都人のいけず 9静寂の美 12
春讃歌 16鯉のぼり 19人間の素晴らしさ 22
祇園祭 26大文字の送り火 29コスモス 33
秋の日の娘との語らい 36銀杏 39京都の師走 43


第二章政治家になって ……………………………… 47

政治家になって 48母への思い 55宗教とはなんだろう 62
ストレス解消もストレスに? 68結婚の形、恋愛の形 72
女らしさということ 82出会いを大切に 85美意識について 86

第三章つれづれに ……………………………… 93

人生のパックはやめよう 94日常性からの脱出 97
プラス指向をもつこと 101階段を一歩一歩登る幸せ、共生 104
家庭と子供のバランス 107
いくつになってもどこかに子供がいる幸せ 110
愛情を注がれなかった子は大人になって愛情乞食になる 114
自信は大切 117幼い子には沢山の愛を 120
親の言葉は真理を含んでいるもの 123苦境の時こそ助け合いを 127
旅行で新しいことが見えてくる 129平安建都千二百年に思う 132
若々しくいるために 135立原正秋文学に思う 137
秋の花々 141日本の四季 144
日本の伝統文化のこれからの役割 146
自分の無力を知るということ 149
もういくつ寝るとお正月 152女は弱し、されど母は強し 155
性格が運命を呼ぶ 158堅実とケチの違い 162
「人はだれでも心の中に遠い海を持っている」 165
女性の話題、男性の話題 168確認の大切さ 171
「決めたことですから」 174花を見つめる 177
自分で自分をしばるのはつまらない 179電話と手紙 182
葵の御紋 184暑い夏 185娘の親孝行 187
政治家の資質 190無駄遣い 191気になる存在 193
地方青年と都会 194旅の効用 196「節度」と「らしさ」 197
シドニーで 199選択の社会 200ゴルフ会員権 201
娘の結婚 203判官びいき 204京都の顔 206
教育の多様化 207付加価値 209シンガポールにて 210


























第一章京都礼賛






京都礼賛


大学生だった私は結婚に際し、もっと他に考えなければならないことが沢山あったのに、距離の遠さにだけ心奪われていたから、もし新幹線ができなかったら京都には来なかったかもしれない。
京都駅を降りると、東、西、両本願寺がある。昼間は、京都の象徴のような威厳があり、前を通るだけで心が洗われるようなすがすがしい気持ちになるが、夜はしんと静まりかえり、ネオンを見て育った私にはやり切れないほど心細く感じられた。
秋の夕暮れ、ひと吹きの風の流れと共に、何枚もの葉が音をたてていっせいに落ちるさまは、今でこそ美しいと思えるがその当時は泣けてしまいそうに淋しかった。
言葉も分からない。住所一つとっても、坂もないのにさがる、あがるとはどういうことだろう。
移り住んだ当初、人に道を尋ねた。
「南座の横をおさがりやして、百メートルほどおいでやした所の薬屋さんを西にお入りやしたらじきどすえ」と、柔らかい惚れ惚れするような京言葉に、やはり京女は親切で優しいと感激しつつ、目じるしは「坂」だと歩けども歩けども坂には出合わない。もう百メートルどころか一キロは歩いたと途方にくれ、絶望的になりながら、もしかしたら京都人はいけずと聞いていたけれどこれがいけずで、嘘を教えたに違いないと怒りで胸一杯になって帰ったことがある。教えた人こそ迷惑である。
御所を中心に南に行くことをさがる。北に行くことをあがるということを初めて知った。三方を山に囲まれているため、京都の人は東西南北がすぐに分かるが、よそ者の私には、西だ東だと言われても困ってしまう。
今でもすぐに右、左と言っては西ですか、東ですかと聞き返される。
年をとることは何も良いことはないが、京都の素晴らしさが十二分に分かってきた事だけは年齢のお蔭だと感謝している。
心の落ち込む時、鴨川の堤防を散策すると、自然の雄大さと不変さに対し、人間はなんとつまらないことでくよくよ悩んだり苛立ったりするものかと馬鹿らしくなってくる。
京都の山並みは穏やかで人の心を和ませる。京都の自然に囲まれて私は大らかになりすぎてしまったようだ。
大晦日にはおけらまいりに八坂神社に行く。おけら火をいただいて、火が消えないようにぐるぐる廻しながら家に帰り、その火でおくどさんをつけお雑煮を煮ると、一年間無病息災だといわれている。今はおくどさんのある家も少なくなったが、老若男女、肩を並べて仲睦まじくおけら火を廻しながら歩いているのは、なんともいえずほほえましい。
しんと足の底からはい上ってくるような底冷えも、また一年の終わりにふさわしく心のひきしまる思いがする。
古色蒼然とした街並の静けさの中から、除夜の鐘がおごそかに伝わってくる。
静かに古都の新年が明けようとしている。

京都人のいけず

二十七年前、東京から京都に移り住む若い私に、大人たちはさまざまな情報を提供してくれた。それはたいがい私を力づけるよりは、がっかりさせる方が多かった。
「京都は春と秋は本当に素晴らしいわよ。春は桜が鴨川の堤防に咲き揃ってなんと素敵な所だろうと思うし、秋はお寺の参道の両脇に目もさめる程の紅葉が私達を迎えてくれて、街全体が古代の絵巻き物の趣があるけれど、その反動で夏と冬は人間の住む所ではないわよ。盆地だから風がなく、まるでサウナ風呂に入っているような救いのない暑さだし、冬は骨の髄まで凍ってしまいそうな、千年の怨念がこめられているような陰湿な寒さよ」
四季を通じてこれから一生住もうという人間にとっては、やりきれない言葉である。
「京都人は表面優しくて人当りが良いけれど、その実、心と外は違うからあなたのような単純な人間は気をつけなくては馬鹿にされるわよ」、と注意してくれるのは有り難いが、気をつけなくてはと言われても何にどう気をつけたらよいのか、人の心の中まではのぞけないから困ってしまう。
以後「あの方には気をつけた方がいいわよ」という忠告を何度も耳にしたが、えてしてそう言ってくれる人こそ、気をつけた方がよい人が多かったように思う。


あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。









あとがき

●●●●●あとがきの中身●●●●●
























著者プロフィール

池坊保子

学習院大学国文科在学中に、華道家基45世池坊専永氏と結婚。
2人の娘の母。長女は、6世紀に建立された六角堂にて得度。600年続いた華道池坊の初の女性後継者としての道を歩む。
生け花の育成発展に尽力するとともに、講演、随筆に活躍。元、池坊学園理事長、ならびに学園長。
現在、衆議院議員。
主な著書に
「わが花わが愛」(読売新聞)
「生き甲斐は愛に始まる」(講談社)
「花、人、そして愛」(ビジネス社)などがある。






















本の誕生秘話

取材で京都の冷泉家に、ご亭主の冷泉貴美子さんに会いに行った。終わったその足で、かつて電話の依頼のみでエッセイ集『窓』に寄稿して下さった池坊保子先生に無性に会いたくなり、アポイントをとった。閑静な住宅でお会いした先生は、あでやかでたおやかで美しかった。すっかりその美気(私の造語)に当てられてしまい、しどろもどろで単行本の原稿依頼をした。 国会議員をなさっている今より、ある意味もっと有名だった先生はおっとりと「どんな原稿がいいのですか」「先生の場合、京都の風物詩的なエッセイが、読者にとって読みたい本になると思います」「それじゃあ京都の雑誌に連載してきたものと、これから書くものと半々ぐらいなら時間を見つけて書いてもいいですよ」正直、だめもと精神で訪問した私としてはほんとに嬉しかった。 終わって、カメラを向ける私に「ご一緒に写りましょう」とお手伝いさんを呼ばれ、何枚も写って下さったお心遣いに感謝しながら、より一層つよいファンになった。























関連書籍の紹介

●●●●●関連書籍の紹介の中身●●●●●





















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