第1章緊急事態発生
直腸ガン? !
思いがけないクリスマスプレゼントは、なんと!『ガン』だった。
クリスマスといえば、本当は楽しいプレゼントを心待ちにするのに、私の場合それが、
『ガン』だったのです。
プレゼントに『ガン』、考えてもみなかった『クリスマスプレゼント』でした。
平成8年の12月25日。42才のクリスマスの日に『直腸ガン』の告知を受けました。
1ヵ月前に話はもどりますが、朝トイレに行ってトイレットペーパーで拭くと、紙が赤く
見えたのです。
な、なんとトイレットペーパーに、血が付いているではありませんか。
「えっ、血!」
俺、女にでもなったのかしら?
と、いうことは、俺、子供産めるの?ウァ〜イ。
いや、そんなことはないな〜。じゃ、ただのオンス?
それともトマトジュースの飲みすぎ?
イヤ、違うな〜。う〜ん。でも、切れ痔でもないし……。
じゃ、原因不明の大出血?
もしや、エボラ大出血熱?
ウァ〜オ。緊急事態だ!
でも、やっぱり、痔、か、な?
なんて、軽い気持ちで、まさか『ガン』なんて、この時知るよしもありませんでした。
それから次の日も出血。アレ〜。
「血、止まらないなぁ〜。痔の薬を買わないとダメかなぁ〜」と思い、薬局に行って座薬を買ったのです。
そして、さっそく家に帰り、トイレに直行しました。
封を切って、ピストルの弾みたいなものを肛門に入れ、やっと入ったと思って手を離したら、また出てきました。
それで今度はもっと強く押し込んだら、肛門の中に吸い込まれ、まるで腸というストローがコーラを飲むみたいに入っていったのです。
よっし。これを何回か続ければ治ると思い、次の日はあんまり出血しなかったので『よしよし、どんどん良くなるなぁ〜』と思っていました。
そしてついに3日目、出血が止まったのです。
「な〜んだ、やっぱり痔だったのか。あ〜、よかった」と、ホッとしました。
しかし、座薬をお尻から入れているのにもかかわらず、また「5日目」に出血したのです。
なんで?
やっぱり病院に行かなくてはダメかな〜。
しかし、痔の検査は痛いと聞いていたので、なんとなく2〜3週間が過ぎていきました。
そして12月20日金曜日、朝一番で病院に行きました。まず受付に行き、質問表に記入して待っているとすぐ呼ばれて「ここのベットの上で、横になって下さい」と言われました。
そこで看護婦さんにズボンを下げられ、パンツも下におろされ、
『ひぇ〜こんなに早く脱がされちゃって ? !心の準備ってぇもんがあるでしょ!』
と思う暇もなく「ブチュー、グリグリ〜〜」
人差し指か中指かわからないけど、先生の「とっても、でかい指」が私の繊細なコ、コウモンに、ア〜ア〜〜。
ナント、私の初めての相手の人は「肛門科の先生」だったのです。
そうじゃなくて、いつ、失神してもおかしくないぐらいの「激痛!」だったのです。
そして、この激痛が快感になり「俺も女役になりた〜い。もっと〜!」と思うことは、絶対にないと、このとき痛感しました。う〜ん、どうも私の趣味には合いません。
じっと痛さを我慢していると、看護婦さんが冷ややかな声で言うのです。「痛いですか?」ですって。ウ〜、ウ〜、声なんか出ません。
そしてやっと終わったと思ったら、さらに第2弾が待ち構えていたのです。
「今度は、少し奥を視ますから」と言われ、
「エーッ」そんなバカな!
先生、私、男役でしたらなんとか……。ア〜ア〜〜。イク〜〜まちがえた、イテ〜〜。
結果的には「内痔だね」と言われ『アー良かった!』と思いました。
そして先生に「便に血が混じりますか?」と聞かれて、初めだけ、たまに付くので、軽く「ハイ」と返事をしたら「念のために、大腸検査もしましょう」と言われたのです。
心の中では、いやだなーと思いながらも、2階へ行き予約をお願いしますと言うと、いちばん早くて、来年の1月の7日以降と言われたのです。
しかし偶然にも、ほんの少し前に1つだけキャンセルが出ていて、空いていた12月24日の午後2時に決まりました。
いよいよ検査の前夜、渡された薬を飲み、検査の日の朝は下剤2リッターを飲みました。時間が経つにつれて、便も水みたいになり、最後に、血が少し浮いていると思いましたけど、その時は、これだけ下痢をすれば肛門に負担がかかって当然だと思ったのです。
そして、検査の時間がきました。汐崎さ〜ん、3番テーブルへ。
私を待っていたのはホステスさんやお酒ではなく、注射器だったのです。
腕に注射、肛門には「スペシャルメニュー内視鏡」が入り、大腸検査が始まりました。
しばらくして先生が『あー出血してる』と言ったので、
「えーホント?」
まさか大腸までもが「生理?」
そんな「ばーかな!」
肛門は仕方がないとしても、大腸だけは信じてたのに……。
急に不安になり、私の頭の上の内視鏡のテレビを見ると、確かに「ごま」みたいな血が、点々とスクリーンに映っているではありませんか。その画像が、よく受付の横などに貼ってある【これが大腸ガンだ。初期、中期、末期ガン、早期発見だったらガンも恐くない!】のポスターの写真の中で、私の場合はえ〜と、
「エッ、末、末期ガンに似てる。そんなアホな……」
いくら何でも……だから検査はイヤだと思ったのにィーと考えていると、
「汐崎さん、出血の場所がどこか撮りますので、レントゲン室に行ってください」と言われました。
話がどんどん深刻になっていくので、今日はこれでおしまい。これはただの夢、夢と思いきや、今度はお尻から「バリウム」と「空気」攻め。
「俺、なんにも悪いことしてないよ〜」と、思っていると、
先生が「もう少し空気を入れますよ。いいですか」と言われ、
「先生、お、おれ風船じゃないんだけど、パンクするよ〜〜」
すると今度は、看護婦さんの「はい頑張って」と、ドスの効いた力強いお言葉に、私も思わず「ハ、ハイ」と答えていたのです。
約10分位、右、左、うつぶせの繰り返しでやっと終わり、今度はトイレに行って、今入れたバリウムを頑張って出してくださいと言われました。なんと忙しい一日なんだろう。
朝から何にも食べていないのに、検査だけで身体疲れちゃう。精神的にも悪いし、便器を覗けば、バリウムは白く「牛乳」みたいだし、俺は「ウシか〜モォ〜〜いやだ!」
しばらくして先生から呼ばれ「これは大変です。緊急を要しますね」と言われ、いや〜な予感がしました。
しかしそこは男、冷静に「どうなっているのですか?」
先生いわく「レントゲンを見ると、ここに大きなポリープがあります」「この大きさは、3〜4cmの大きさで、このままいくと腸を塞いで、いつ腸閉塞になっても不思議ではありませんね」と言われ、事態は「急変」しました。
先生に「うちで取ってもいいんだけど、2月まで予約で一杯だから、早く他の病院で取った方が良いと思います」「できたら明日、奥さんを連れてきて下さい」と言われました。『えっ、奥さんを連れて……』さっきは50%、今は80%まで私の頭の中は「ガン」というパーセンテージがはね上がっていました。
そして、すぐにうちのヤツに電話しました。「かなり大きいポリープがあるって言われちゃった」
「大きいってどれくらい?」「3〜4センチ」
「えーっ。で、先生なんだって?」「なにも言わないんだけど、奥さん連れてきて下さいって」
「明日、会社休める?」
「またまた、冗談でしょ?」「ほんとだよ」
「本当にホント……なの?」「アー冗談でこんなこと言えるかよ」
「悪くても小さいポリープ位かと思ったけど、私……」
うちのヤツはこの時点で、かなり動揺していたらしいのです。
なぜならば「家庭の医学」の直腸のところで「ポリープは、2センチ以上は『危険』なのですぐ切除」と勉強していたので『3〜4センチ』と聞いて、胸がざわざわしたとあとで言っていました。
第2作目の予告
タイトル極楽とんぼの「大逆転」
まえがき
ハーイ!私、ガンキラー汐崎、元気で〜す。安心しましたか?
ほとんどの人が、第2作目は無理かな〜と思ったでしょう。ウフフ……。だって病気が病気だし。ひょっとして、もうこの世にいないのではないかと……。
しかし、現在では、助かって元気にしているガン患者の人も、すっごく多いんですよね。
そうなんです。汐崎も、しぶとく元気で現在進行形で頑張っています。
まずは、皆様方の期待を外して大変失礼しました。
しかし、私の期待も大きく外れ大変だったのです。第1作目の本が出るまで、ご多聞にもれず、ものすごく苦しみました。本なんて、簡単に出せると思ったら、これが大変な「誤算」だったのです。
原稿が出来上がり、出版社に簡単な本の内容を送って、原稿を読んでもらおうと手紙を書くのですが…………。
あ、ゴメンナサイ。立ち読み部分はここで終わりなんです。ここまで読んで下さって有りがとうございます。
このあともっと面白くなりますから買っていただけるとすごく嬉しいです。